H26 会長挨拶

 今年度の定期総会で福岡章明前会長から重いバトンを受けとりました。役員、会員の皆様の研修に取り組む熱意に支えられ、身に余る重責を務めているところです。
 さて、私たちは生活科・総合的な学習の時間を通して、学ぶよさを実感し、未来を拓いていく子どもを育てたいと考えています。加速度的に伸展する変化の激しい社会において、子どもたちに主体的に生きる力を育むためには生活科や総合的な学習の時間は欠かすことができません。
 しかし、生活科創設以来25年、総合的な学習の時間創設以来14年の流れの中で、「見える学力」が声高に重視される今日ほど生活科、総合的な学習の時間の真価が問われている時はありません。「見える学力」の基盤となる「見えない学力」の中核は、「よき生活者として求められる能力や態度を育てる」生活科であり、「よりよく問題を解決する資質や能力を育成する」総合的な学習の時間であります。生活科や総合的な学習の時間の提言をすることは、とりも直さず学校のカリキュラム全体の在り方の提言であり、確かな学力を育成する提言でもあります。
 いよいよ次年度の秋、「第25回北海道生活科・総合的な学習教育研究大会 釧路大会」を主管し、全道に向けて研究提言いたします。会場校となる釧路市立阿寒小学校の皆様と釧路生活科・総合的な学習研究会会員が一体となって研究を練り上げてまいります。総合的な学習における探求的な学びの過程である「課題設定」から「情報収集」、「整理・分析」、そして「まとめ・表現」という流れは、同時に私たちが研究を練り上げていく過程でもあります。「まとめ・表現」は授業研究の場面といえるでしょう。大切なのは自らの考えや課題が常に更新され、探求の過程を繰り返し連続していくことです。今年度、多数回の授業研究が行われ、課題と成果を連続的にとらえ、研究の深化を目指してきたことが私たちの研究会の一番の誇りです。
 会員の皆様の一層のご協力、ご尽力と関係機関の皆様のご指導をお願いすると共に、ぜひ熱い思いで研究を共に深めたいと希望される先生方の参加を心よりお待ちしております。